ニッポンのカレーの原点を巡るこのたびの企画第2弾は下北沢にスープカレーの人気店を訪ねました。ふたりとも、これまで「スープカレー」というコンセプトに、それほど魅力を感じてなかったのですっかりノーマーク。というわけで、ふたりとも人生初めてのスープカレー体験です。
下北沢の駅を降りてぶらぶらと歩くこと5分ほど、目指すお店は「ザ・スズナリ」の裏手の方にあります。人気店と聞いて予想はしていたものの、上りの坂道を一歩ずつ進むとともに、スパイスの良い香りとともに、なにやらただならぬ若者の熱気が漂ってきて思わずドキドキ。
到着してみると夕方6時にもなっていないのに、すでに外で順番を待つ人々でいっぱい。シモキタ自体一年中お祭りみたいな町だけど、ここはまるで若者の聖地のようです・・!
30分ほど待って店内に通されてみると、そこはまるでアジア(でもどこの国か分からない仮想アジア)のお祭り屋台のよう。テーブルに着くと、文字情報がいっぱいあって、しばらくシステムの把握に時間がかかります。
しかし、実はそんなに難しい仕組みではなくて、まずは心を落ち着かせ、1-カレーの種類、 2-辛さのランク、 3-トッピング、の3つを選んで注文すればヨイのです。
あれこれ迷った末、かえるシェフは「チキン」、弟子は「キーマビーン」を選ぶことに。
辛さのランクが面白くって、「涅槃」とか「天空」とか「悶絶」とかいろいろあって(これはたしか以前テレビで見ました)、一番辛いのは「虚空」。「悶絶」は意外にも下から3番目。そうか、本当に辛いと、悶絶などはとっくに通り過ぎて「虚空」の境地に達してしまうものなのか・・。
新参者の私たちは遠慮がちに、かえるシェフは「瞑想」(下から2番目)、辛さにあんまり強くない弟子は辛味追加ナシにして臨む。しかし、食べてみてこれは遠慮が過ぎたことがハンメイしました。次回はそれぞれ2ランクずつくらいアップして臨む予定。つまり、かえるさんは「悶絶」超え、弟子はその手前あたりで。
それから、目移りしながらも楽しいのがトッピング選び。すごくいろいろな種類があるので迷うけど(チラシによると40種類以上ですって)、これもあとで分かったことながら、この店の常連さんはいろんな種類のトッピングをいっぺんに頼むみたい。わたし達はさんざん迷って選びましたが、迷ったらぜーんぶ入れちゃえ、というのがこの店の正解だったようです。そう、全部のせっていうやつですね。
ふたりともお願いしたのは「モモ」。「モモ」とは要するにギョウザのこと。それから、ミートボールやポーチドエッグも追加。他にも納豆やカマンベールチーズ、まいたけなんかもあります。でも、こんなにたくさんのトッピングがあるのに、パクチーがないことに弟子は今ひとつ不満。今後是非パクチーの導入も検討してくださいね!
待つこと数分、ラーメンどんぶりみたいな器に入ってスープカレーが登場。続けて、ライスも運ばれて来た。初めて食べてみたスープカレーは、まるで和風ダシのように安心するお味。決して攻撃的なお味ではないし、ひょっとして、これってもはやカレーと呼んで良いものなのだろうか、と迷うほどの進化と変貌を遂げている。
ほっとする日本人好みのダシ味と、選ぶ楽しさが人気の秘密かな。本店は札幌にあるそうで、東京に進出したのは5年前とのこと。
あー、お腹いっぱい、と完食したどんぶりを前にお腹をさすっていると、「おふたりとも、きれーにぜーんぶ食べてくださいましたね!」と店員さんがほめてくださいました。超多忙なはずなのに、お店の人がみんな生き生きと感じがいいのもこのお店の特徴です。
続々と詰め掛けるお客さんの中に、日本人の女の子とカップルらしいインド人風の男性も見かけました。カレーのルーツの国から来たお客さんは、どんな感想を持つのでしょうか?
マジックスパイス
http://www.magicspice.net/
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帰りは東中野で途中下車。前から狙っていた「ル・ジャルダン・ゴロワ」というテイクアウト専門お惣菜屋さんへ(もちろん、フレンチ。こんな名前で中華だったらびっくりですね!)。弟子が狙っていたのは、「エッフェル塔」という名前の背の高~いシュークリーム。かえるさんの方はキイチゴのショートケーキを選んで、ゆらさないようにゆっくりお持ち帰りしました。帰って箱を開けてみると、それでもエッフェル塔がなんとピサの斜塔に!・・でも、なんとか持ち堪えて、ハイ、チーズ!